人事考課制度に於ける、選民思想の残滓

日本国内の大半の企業は、例年賞与支給時期の1ヶ月程度前より、各社員への成果や目標に対し達成度を自己評価させたうえで、管理職以上の御歴々より客観的な評価及びフィードバックを頂戴するのが一般的です。その結果や業務や職場環境等諸々を面談にてヒアリングされ、結果として賞与額・昇給・昇進についての査定がなされてゆきます。一方で、パートや契約社員など非正規雇用の従業員に対してはその限りでない、という企業も多く存在します。人事考課の制度すら適用されず、業務や職場環境の要望を聞き入れられることなく、ただ機械的に与えた業務のみ残業などすることなく熟せばいい、といったように。

本人たちの適性が見出されることは稀であり、意欲や希望に対しては聞き取りをされることもないのが殆どです。業務や職場環境の改善の活路を見出すのであれば、従業員全員の風通しを良く変革させてゆくことも必要なのではないでしょうか。こうした事例が存在する理由としては、旧態依然とした日本企業の終身雇用制度が未だ根底にあり、社内での立場や肩書ばかりに重きを置いた利害関係が構築されているからでしょう。勿論、非正規労働者と正社員とは多少の責任や業務負担の重軽の差別化はあって然るべきですが、従業員全員が意見や要望を忌憚なく発信できる環境を構築することで、思わぬ問題解決の糸口が見出される可能性とて否めません。

社内規定の都合上昇進の可能性は皆無だとしても、従業員全員に人事考課制度を適用するのもモチベーション向上に繋がり得るでしょうし、現状担当している業務に適正がないことが判明すれば、適材適所で人員を配置し直すことで業務効率化の一端を担うことも往々にしてあるものです。とどのつまり、従来の人事考課制度の名の下の選民思想を刷新し、社内改革や人間関係の改善を促進することで多様性社会を生き抜く一縷の望みとなるのでしょう。

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